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目指すべき未来に向け、組織の枠を越えた取組をデザインする

目指すべき未来に向け、組織の枠を越えた取組をデザインする

※亀岡市での現場視察の際の参加者集合写真

地域の暮らしは、省庁ごとの施策単位では成り立ちません。人口減少や高齢化が進む中、従来の単一部局の業務だけでは解決が難しい課題が増えています。自治体・企業・住民組織のそれぞれが単独で動くだけでは、部局横断の統合的な仕組みを組成しにくく、政策支援を十分に組み合わせられないことも少なくありません。行政側でも、必要な関係先は既存の関係団体にとどまらないにもかかわらず、必要な先に十分届けることができず、結果として政策に応募する団体や内容が部分最適に陥りがちです。さらに、数年単位の人事異動が、長期的かつ領域越境の関係構築を難しくしています。

きんき環境館は、環境省設置の公的機関として、この“越境”を常態化する連携支援を展開しています。

■ 施策1:先進事例と6省庁施策の『紐付け』によるニーズ発掘(2025年1月)


※出先機関からの支援事業紹介

※先進事例紹介

環境省 近畿地方環境事務所とともに近畿の出先機関を訪問し、関西SDGsプラットフォーム『ローカルSDGs・脱炭素分科会』(KSP分科会)第6回で、省庁横断の協力を得てイベントを開催。全省庁の政策が統合的に関わる事例を提示し、横断的な支援メニューの活用方法を示しました。
【アプローチ】
奈良市月ヶ瀬村の『Local Coop大和高原』や福岡県豊前市などが取り組む『歩いていける多機能拠点』、そこに関連する『地域の暮らしのインフラ』を支える象徴的な事例、そして官民連携でエコシステム社会の実現を目指す全国共創プラットフォームESA(エコシステム社会機構)を紹介。事例と地域のビジョンを先に示したうえで、必要な政策を“選び取る”考え方を提案しました。
【成果】
近畿出先機関6団体とESA等の集客協力により、現地・オンラインあわせて140名超が参加。通常は接点の少ない組織・部局に広くリーチできました。会場での意見交換では、資源循環を担当する自治体職員から近畿厚生局へ福祉の観点での質問が出るなど、新たな接点を創出。アンケートでは『課題把握と未来像の両方が必要』『庁内の横のつながりを強める必要性を痛感』『制度・取組を俯瞰することで解決の糸口が見える』といった声が寄せられました。

 ■ 施策2:複雑な課題を解きほぐす『越境』の提示(2025年11月)

KSP分科会第8回イベントのテーマは『複雑な社会課題を複雑なまま解決する』。


※出先機関からの支援事業紹介

※登壇者と参加者の対話

【アプローチ】
地域づくりの実践者を招き、省庁の枠を越えて施策を“使いこなす”マインドセットを共有。環境省 近畿地方環境事務所を含む近畿出先機関4団体が、最新の支援メニューを紹介しました。
【成果】
参加者からは『他分野との接続の重要性が理解できた』との声が寄せられ、実施意欲の高い自治体を特定。次の個別アクションへつながる土台が整いました。

■ 施策3:現場視察による『解像度の向上』と対話の深化(2026年2月)

※視察後 亀岡市と出先機関にて対話
※MEGURU STATION®を視察

イベントで得た熱量を具体的なアクションへつなげるため、京都府亀岡市で『現場視察と対話』を実施。同市は環境省地域循環共生圏関連事業の卒業団体で、第6回イベントのアンケートにおいて『歩いていける範囲の多機能拠点』への挑戦意向を示していた自治体です。
【アプローチ】
互助・共助型の資源回収拠点『MEGURU STATION®』(『歩いていける多機能拠点』の一形態)等を、各省庁の担当者とともに視察。視察後には、市と各出先機関で、この取組をどのように活用できるかを対話しました。
【成果】
モデル事業終了後の自走化に向けた財源確保の難しさなど、現場の切実な課題が国側へ直接フィードバックされました。第6回イベントで共有した実践地を現場で確認することで、可能性と課題の両面を立体的に把握できました。

■ 点から線、そして面へ — 得られた3つの成果

  • 自治体側のネットワーク拡張: 環境部門だけでなく、福祉・交通・空き家対策・農村振興など、通常は接点の少ない近畿出先機関とのつながりが生まれました。
  • 国側の政策解像度の向上: 地方公共団体と近畿出先機関の対話や現場訪問を通じ、統合的取組に必要な政策が予算の立て付け上活用しづらい等の課題が、近畿出先機関側へ直接共有されました。
  • 人事異動に左右されない『関係性のストック』: きんき環境館がハブとなり、近畿出先機関と地方公共団体・企業をつなぐ実績を蓄積。地域循環共生圏に関するイベント告知依頼等、継続的な往復が生まれています。

■ 継続的なハブでありプロモーターを目指して — 提供価値

  • 知見と関係性の継承: 行政機関の数年単位の異動に左右されず、地域の知見と関係性を継続的に蓄積。実際に参加した近畿出先機関の方々からも『異動は課題だが、このような連携の場が継続されることが重要』との声をいただいています。
  • 公的機関としての信頼性と調整力: 環境省設置の施設という信頼性を背景に、省庁間の垣根を下げる調整役を担い、『どこに相談すればよいか迷わない』状況を創出します。
  • 中立的な“第三者”としての立ち位置: 利害関係にとらわれず、自治体や企業が本音で相談しやすい場を提供します。

    今後も、各省庁の施策を“翻訳”して地域に届けるプロモーターとして、対話で顕在化した課題の整理や共創の場づくりを加速し、近畿から実装を広げていきます。

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