お知らせ
――前編はこちら「コンポストから広がる、対話と協働のかたち(前編)」からお読みください
想いを形にする「伴走」という支援
コミュニティコンポストの活動が実現するまでには、多くの人との出会いがありました。その一人が、中間支援団体「TOMOSU」の中島さんです。
小國さんが抱いていた「地域で活動を始めたい」という思いに対し、TOMOSUは創業支援制度の活用や団体立ち上げのサポートを行いながら、活動の実現に向けて伴走してきました。
印象的だったのは、コンポストの専門家を招く際の考え方です。
全国には著名な専門家もいますが、単発の講座で終わるのではなく、地域で継続的に相談し合える関係を築くことを重視し、地域に根ざしたコンポストアドバイザーである坂内さんとの連携を提案。
また、講座の企画や全体のコーディネートなど、活動を無理なく続けられる仕組みづくりも支援してきました。
伴走支援とは、活動の主体になることではありません。地域にある想いや人をつなぎ、その活動が自ら育っていく環境を整えること。コミュニティコンポストの歩みからは、そんな中間支援の役割が見えてきます。


つながりが、新たな実践を生み出す
今回の活動は、一つの団体だけで実現したものではありません。
小國さんは、多様な立場の人々が集い、地域の未来について対話する「奈良コクリ!キャンプ」の参加者でもあります。
「奈良コクリ!キャンプ」には、行政、事業者、市民活動団体など、地域も活動分野も異なる人たちが集まります。
互いの経験や想いを語り合う中で共通点を見つけ、新しいつながりが生まれていきます。
実際に、この場で築かれた関係から他地域の採択団体との交流が始まり、新たな協働へと発展した事例も生まれています。
また、生駒市など他地域での別プロジェクト展開も、こうしたつながりをきっかけに動き始めた取組の一つだそうです。
一つの活動が別の活動へ、一人の想いが新たな実践へ。
地域づくりは、大きなプロジェクトを一つつくることだけではありません。小さな実践が互いにつながり、
それぞれの地域で新しい挑戦が生まれていくこともまた、大切な地域の力なのです。
小さな実践が描く、地域循環共生圏
「地域循環共生圏」という言葉は、少し難しく聞こえるかもしれません。
しかし、その考え方は決して特別なものではありません。
地域の自然や資源、人とのつながりを活かしながら、それぞれの地域で課題を解決していく。
そのために、多様な主体が対話し、協働し、新しい価値を生み出していくこと。その積み重ねが地域循環共生圏の姿です。
中島さんは、「一つの取組を大きく育てることだけが目標ではない」と話します。
一人の想いから新たな活動が生まれ、その活動がまた別の人や地域へ広がっていく。
そうした小さな実践が点描画のようにつながり、一枚の大きな絵になっていくことこそ、地域づくりの面白さだといいます。
南山城村農林産物直売所で見たオーガニックマーケットも、その一つの点でした。
コンポストから始まった小さな循環は、人をつなぎ、地域をつなぎ、新たな実践へと広がっています。
地域の未来は、一人ひとりの小さな行動から始まります。
その実践がつながり合うことでうまれる持続可能な地域づくりへの歩み。
こういった歩みが、それぞれの地域でも少しずつ広がっていくことが期待されます。