ESDの推進

地域循環共生圏構築やSDGs達成を目指す社会の持続的な人材育成の課題

更新日:2019年03月29日

国の第五次環境基本計画で示された、各地域が自立・分散型の社会を形成し、地域資源等を補完し支え合う「地域循環共生圏」の構築に向けては、その社会を引き継ぐ次世代の育成を同時に進めることが大切です。

環境・社会・経済の統合的な向上が求められる持続可能な社会において、地域人材を継続的に育てるしくみが、長い目で見ると重要になってきます。現在、環境省において「地域循環共生圏の創造に取り組む活動団体」が募集されていますが、こうした試みにチャレンジする力を育む地域の環境づくりにも注目する必要があります。

◆平成31年度 地域循環共生圏づくりプラットフォームの構築に向けた地域循環共生圏の創造に取り組む活動団体の公募について

国連の『持続可能な開発目標報告2018』によると、SDGs達成に関して、“世界の進歩はアジェンダの野心に追いついておらず、各国とステークホルダーがあらゆるレベルで直ちに行動を加速する必要”があるそうです。2018年12月に発表された、国の「SDGsアクションプラン2019」においては、SDGsの担い手である次世代・女性のエンパワーメントが軸のひとつに位置付けられています。SDGs達成に向けても、やはり、持続可能な社会構築に資する人材育成を地域で推進する場の強化が不可欠であることが分ります。

2月下旬に、環境学習施設や社会教育施設におけるESDの取組強化やネットワーク形成推進を支援する「環境教育・学習拠点における「ESD推進」のための実践拠点支援事業」(平成28~30年度)の成果共有会が東京で開催されました。この事業では、近畿は滋賀県のびわ湖大津館、大阪府池田市のエコミュージアム、和歌山県立自然博物館とともに、ESD推進の実践に取り組むための協議・試行をさまざまな形で実施しました。

近日中に、本事業に関する成果物が取りまとめられ、ESD推進をさまざまな地域で実践した28事例の報告としてウェブ掲載されます。地域循環共生圏の構築に関わる自治体職員の方、SDGs達成に向けた教育実践の中間支援に関わる方、取組のすそ野を広げることに創意工夫している担当者の方にとって、持続可能な地域づくりに向けた人材育成の参考にしていただけるのではないかと考えています。

(田中 コミュニケーションプロデューサー・科学コミュニケーター)

ウェブ掲載された冊子のタイトルは、「~ SDGs達成に向けた ~持続可能な地域の創り手を育む“学びの場”づくりガイドブック」です。地球環境パートナーシッププラザのウェブサイトの調査報告書・印刷物のコーナーでPDF版を入手できます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

文中の成果物は、3回の編集ワーキングを経て作られました。写真は、平成30年12月20日(木)に地球環境パートナーシッププラザで開催された「第3回 編集ワーキング」の様子です。

環境教育等促進法

正式名称は「環境教育等による環境保全の取り組みの促進に関する法律」(平成23年6月改正)。環境行政への民間団体の参加と、多様な主体による協働を推進するための規定が多く盛り込まれている。

協働取組

国民、民間団体等、国又は地方公共団体がそれぞれ適切に役割分担しつつ、対等の立場において相互に協力して行う環境保全活動、環境保全の意欲の増進、環境教育その他の環境の保全に関する取組。

ESD

持続可能な開発のための教育(Education for Sustainable Development)。一人ひとりが、世界の人々や将来世代、また環境と関係性の中で生きていることを認識し、行動を変革するための教育。

地域循環共生圏

各地域が美しい自然景観等の地域資源を最大限活用しながら自立・分散型の社会を形成しつつ、地域の特性に応じて資源を補完し支え合うことにより、地域の活力が最大限に発揮されることを目指す考え方。

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