ESDの推進

子ども達の地域を愛する心が持続可能な地域づくりにつながる

更新日:2019年09月30日

今年度、長浜市立高時小学校では、ユネスコスクールの登録を目指して、これまでの取組をESDの視点で再構築するとともに、教員のESDの指導力を高める研修等を行っています。近畿ESDセンター事業で高時小学校のESD授業づくり支援を行うとともに、地域ESDフォーラムでその成果を紹介していただく予定です。

校区を流れる大谷川で、平成14年に国の特別天然記念であり絶滅危惧種でもあるオオサンショウウオが見つかったことで、県では、砂防ダム建設計画を変更して穴あきダムにしたり、魚道を設けるなどの河川改修等を進めています。また地域では、「古橋のオオサンショウウオを守る会」を立ち上げ、川の清掃や不法投棄の見回りなどの自然環境の保全・保護活動に努めています。高時小学校でも、地域と連携してオオサンショウウオについて学び、子ども達の環境保全に対する意識を高めると同時に、地域に誇りを持つよい契機となっています。

9月に、滋賀・古橋のオオサンショウウオを守る会共催で、近隣の小学校にも呼びかけ、「古橋の大谷川の生き物調査」が行われました。子ども達は様々な川の生きものに加えて、オオサンショウウオを1時間ほどで何と2匹も見つけることができました。オオサンショウウオを「かわいい、かわいい。」と地域の仲間のように温かく見守り、「元気に長生きしてね。」と声をかけていました。(計測等が済み次第、大谷川に放たれます。)

地域の自然に親しむこのような体験は、子ども達の心の中に故郷の素晴らしさを植え付けてくれることでしょう。この地域愛を柱に据えながら、地域の美しい自然環境は、そのままでは続いていかない。それを守り伝えていこうと努力する人がいることがいるからこそ、受け継がれるのだということに、地域の人との交流を通じて気付かせたり、子ども達が地域の一員として自分たちにできることを考えて行動に移していくための話し合いや、地域内外に対しての発信を行ったりするなど、学習内容に子どもたちに身に着けさせたいESDの能力・態度、学校目標、教科とのつながりなどを落とし込んで再構築し、教員同士や地域の人と共有できるよう可視化していきます。

(中澤 地域教材化コーディネーター・学習指導コミュニケーター)

 

 

 

 

 

 

 

 

みんなで声かけ合って生きもの調査をすることで、仲間意識が芽生え地域愛に繋がります。

環境教育等促進法

正式名称は「環境教育等による環境保全の取り組みの促進に関する法律」(平成23年6月改正)。環境行政への民間団体の参加と、多様な主体による協働を推進するための規定が多く盛り込まれている。

協働取組

国民、民間団体等、国又は地方公共団体がそれぞれ適切に役割分担しつつ、対等の立場において相互に協力して行う環境保全活動、環境保全の意欲の増進、環境教育その他の環境の保全に関する取組。

ESD

持続可能な開発のための教育(Education for Sustainable Development)。一人ひとりが、世界の人々や将来世代、また環境と関係性の中で生きていることを認識し、行動を変革するための教育。

地域循環共生圏

各地域が美しい自然景観等の地域資源を最大限活用しながら自立・分散型の社会を形成しつつ、地域の特性に応じて資源を補完し支え合うことにより、地域の活力が最大限に発揮されることを目指す考え方。

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