ESDの推進

近畿ESDフォーラム2019年度に向けて~地域資源が持つ「教材としての価値」に気づき、子どもたちの主体的な学びに生かす!

更新日:2019年12月16日

近畿ESDセンターでは、学校・自治体・拠点が連携した、地域を教材にした授業づくりを支援しています。今年度は長浜市立高時小学校(滋賀県)で、オオサンショウウオを教材にした授業づくりを行っています。
(今年度の授業づくり支援については、9月の事業ブログを参照)

11月27日に長浜市立高時小学校で、近畿ESDコンソーシアムが実施するESD研修の一環として、地域を教材にした学習指導案の検討会を行いました。

まず、昨年度のフォーラムでの発表者である奈良のお二人の先生方から実践事例の紹介をしてもらいました。

 

 

 

 

 

 

次に、高時小学校の足立先生から、昨年度実施した、地域に生息するオオサンショウウオを題材とした授業に、今年度新たに市の歴史遺産課の専門的な情報を得て、ESDの視点を組み込んだ指導案の構想を発表いただきました。

 

 

 

 

 

 

それぞれの発表毎に、参加者がグループに分かれて1.ESDの視点で単元の目標が設定されているか、2.目標に即した授業の展開になっているか、について意見交換をして、地域資源を教材にしたESDの指導案の一般化を図りました。

意見交換では、「自分の地域に受け継がれる伝統を守ることの大切さや、地域の課題解決に向けて取り組むことの必要性などを学んだ子どもたちは、地域に愛着を持ち、主体的に自分が行動できることを考え、実行に移すことができる。ここに、専門的な知見から地域の人材や行政の方から助言を受けることで一層学習が深まる」、といった感想が出されました。

 

 

 

 

 

 

最後に、近畿ESDコンソーシアムの事務局長でもある奈良教育大学の中澤先生から、「ESDは持続可能性に関する価値観と行動の変革を促す教育である」という根本的なところから、3事例を総合的に分析・評価していただきました。

 

 

 

 

 

 

参加された先生方からは、「今後の指導実践に生かせる学びの場となった、このつながりに感謝して教育活動に取り組んでいきたい」、といった感想がありました。

この検討会では、高時小学校教職員、奈良の教員のほか、近畿ESDセンター企画運営委員会、近畿地方環境事務所、長浜市役所、長浜ユネス協会といった、多様な主体が対話できるよう、グループ協議を行う事ができたことによって、それぞれの専門性を発揮した多様な視点での意見交換ができたと思います。

1月に開催する近畿ESDフォーラム2019年度でも、学校教員、教育委員会指導主事、自治体職員、国の職員、地域ESD拠点など、多様な主体がグループになって、地域を教材にした授業づくりについて対話を行う場を設計しています。主体間連携が教育的効果を生み出すつながりの場になるよう、準備を進めているところです。

(中澤 地域教材化コーディネーター・学習指導コミュニケーター)

環境教育等促進法

正式名称は「環境教育等による環境保全の取り組みの促進に関する法律」(平成23年6月改正)。環境行政への民間団体の参加と、多様な主体による協働を推進するための規定が多く盛り込まれている。

協働取組

国民、民間団体等、国又は地方公共団体がそれぞれ適切に役割分担しつつ、対等の立場において相互に協力して行う環境保全活動、環境保全の意欲の増進、環境教育その他の環境の保全に関する取組。

ESD

持続可能な開発のための教育(Education for Sustainable Development)。一人ひとりが、世界の人々や将来世代、また環境と関係性の中で生きていることを認識し、行動を変革するための教育。

地域循環共生圏

各地域が美しい自然景観等の地域資源を最大限活用しながら自立・分散型の社会を形成しつつ、地域の特性に応じて資源を補完し支え合うことにより、地域の活力が最大限に発揮されることを目指す考え方。

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