ESDの推進

古代~現代~未来へとつなぐ心 -奈良県立万葉文化館を訪問して

更新日:2018年12月27日

きんき環境館の「中間支援機能の強化」事業において、奈良県立万葉文化館を訪問しました。

和歌に詠まれた時代背景を紐解くことで、その土地の自然と人との距離感や自然を愛し敬う姿勢など、万葉の時代の自然との関わり方や考え方を、現代の未来に向けたまちづくりに反映させることができるのではないか。文化・歴史に関心が高い人に対して、その背景にある自然環境との関わりに目を向けてもらうことができるのではないか。このような予感を持ちながら、インタビューをさせていただきました。

万葉集は、古く5世紀から8世紀にかけて詠まれた4,500余首を収めたわが国最古の歌集です。万葉文化館では、その膨大な資料の調査・研究と同時に、万葉歌人の心を伝える様々な事業・イベントを行っています。万葉文化館がある奈良県明日香村には、万葉歌碑がたくさんあります。今は数多く点在する万葉歌碑は、昭和30年代から多数建立されてきたもので、万葉集に詠われた場所の景観保全運動の成果を記念して、当時、明日香村の環境保全に尽力された万葉研究家である犬養孝の揮毫(きごう)であると伺いました。

万葉に関する文化の振興と文化財保存の目的は、環境保全の取組と通ずるものです。万葉文化館の研究員の方にお話しを伺って、万葉集に詠われたいにしえの情景や歌に込められた想いと、現代での地域環境を保全する意識との融合性を感じました。

きんき環境館では、今後、万葉歌人に数多く詠まれた紀の川流域において山・川・里での暮らしに視点を当て、万葉文化館とESD・環境保全活動を推進する地域拠点との連携による相乗効果の可能性を探り、関係性構築の支援をして行きたいと考えています。

(中澤 地域教材化コーディネーター・学習指導コミュニケーター)

 

 

 

 

 

 

 

 

万葉人の生活の四季折々の様子が館内に展示されています。

 

 

 

 

 

 

 

 

悠久の時の流れを感じることのできる万葉文化館からの眺め

環境教育等促進法

正式名称は「環境教育等による環境保全の取り組みの促進に関する法律」(平成23年6月改正)。環境行政への民間団体の参加と、多様な主体による協働を推進するための規定が多く盛り込まれている。

協働取組

国民、民間団体等、国又は地方公共団体がそれぞれ適切に役割分担しつつ、対等の立場において相互に協力して行う環境保全活動、環境保全の意欲の増進、環境教育その他の環境の保全に関する取組。

ESD

持続可能な開発のための教育(Education for Sustainable Development)。一人ひとりが、世界の人々や将来世代、また環境と関係性の中で生きていることを認識し、行動を変革するための教育。

地域循環共生圏

各地域が美しい自然景観等の地域資源を最大限活用しながら自立・分散型の社会を形成しつつ、地域の特性に応じて資源を補完し支え合うことにより、地域の活力が最大限に発揮されることを目指す考え方。

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