ESDの推進

異なる立場の方々との対話や連携の必要性を再確認!参加者全員、ともにESDに向けて取り組む仲間です~近畿ESDフォーラム2021年度開催報告

更新日:2022年02月17日

令和4(2022)年1月22日(土)に、近畿ESDセンター事業「近畿ESDフォーラム」を開催しました。コロナ禍のためオンラインに変更となりましたが、当日は、午前・午後の部ともに、発表者・参加者互いにESDへの熱い思いが伝わるフォーラムとなりました。

今年度のテーマは、「“ESD for 2030”地域から実践するSDGs ~地域資源を教材にして、持続可能な社会に向けて行動する人を育てる~」です。子ども達が地域課題を自分事としてとらえ、解決する力を育むことは、持続可能な未来を創造していくことにつながります。

フォーラムには、小・中・高校の先生方をはじめとして、教育委員会、行政、大学、地域拠点、企業など、多様な主体の方々約80名にご参加いただきました。

基調講演では、「ESD for 2030 を踏まえたESDの推進と実践~海のめぐみを未来につなぐ挑戦!」と題して、水中写真家であり、大阪ECO動物海洋専門学校教務副部長の城者定史氏から、大阪湾での「『海のゆりかご』アマモ再生プロジェクト」などの事例を基に、豊かな海を後世につなげる、海にやさしい生き方について、美しい写真を交えてご講演いただきました。

事例発表では、地域資源を教育活動に活かして多様な主体間連携で取り組まれた授業や活動など、3事例を学校教員とそれぞれの連携機関から紹介していただきました。いずれも、今年度、近畿ESDセンターが関わらせていただいたものです。

~持続可能な地域の農業を考える~「ニッポンフードシフト」を推進する農林水産省の職員と連携し、地域も巻き込んで耕作放棄地の課題解決に取り組む実践 <写真右:奈良市立平城小学校教諭>

~地域の環境保全を流域のつながりで考える~ 地域を流れる上流の水質調査から始め、川下や河口の状況を調べることで、改めて自分たちの生活を見直す 生物多様性センターと連携した授業  <写真右:長浜市立余呉小中学校教諭> 

~プラごみダイエットポイ捨てゼロに向けた施策と学校連携 高校生は何ができるか~ 枚方市の環境取組に市内の高校が参画して、校内外での自主活動を行った事例 <写真右:枚方市・大阪府立枚方高等学校生徒会会長>

続いて、近畿内の地域ESD活動推進拠点の取組紹介を、2つの拠点「滋賀県地球温暖化防止推進センター(公益財団法人淡海環境保全協会)」「箕面森林ふれあい推進センター」から紹介していただきました。

また、今年度から始まった「ESDfor 2030 学び合いプロジェクト」近畿分科会の学びの成果を、今年度講師の奈良教育大学准教授/近畿ESDコンソーシアム事務局長の中澤静男氏から報告していただきました。

そして、午後の部では、ESD-SDGs ワークショップ 「本気でつながる ESD ~対話から連携へ」というタイトルで、9つの班に分かれて様々な分野の方同士でグループワークをしました。各グループで話題提供されたESDプログラムを基に、オンラインながら活発なディスカッションが繰り広げられ、70分という時間は、参加された方にはあっという間だったようです。次年度以降、どのような連携の形が生まれるか楽しみです。

アンケート回答からは、「先進的な取組を参考にさせていただきながら、本県の実情に合わせて形で事業を実施できれば良いなと思いました。」「ディスカッションが大変クリティカルで、現状の当たり前を崩してくれた。」「まだESD初心者ですが、大変貴重な経験になりました。また何か相談等がある際にはご連絡させていただきたいと思います。」などのお声があり、参加者のESDへの取り組み意欲向上が確認できました。

今後もフォーラムの学びやつながりを実践に生かしていただけるよう、近畿ESDセンターではしっかりとお手伝いさせていただきます。ESDの授業で子どもたちの力を伸ばしたいと思われている学校の先生、学校と連携した取組をしていきたいと考えておられる自治体や拠点の方など、ぜひご連絡下さい。

 以上、今回のESDサポート情報でした。

(中澤 地域教材化コーディネーター・学習指導コミュニケーター)

<午後の部 ワークショップに参加された方々で記念撮影 「ESD がんばろー!」>

環境教育等促進法

正式名称は「環境教育等による環境保全の取り組みの促進に関する法律」(平成23年6月改正)。環境行政への民間団体の参加と、多様な主体による協働を推進するための規定が多く盛り込まれている。

協働取組

国民、民間団体等、国又は地方公共団体がそれぞれ適切に役割分担しつつ、対等の立場において相互に協力して行う環境保全活動、環境保全の意欲の増進、環境教育その他の環境の保全に関する取組。

ESD

持続可能な開発のための教育(Education for Sustainable Development)。一人ひとりが、世界の人々や将来世代、また環境と関係性の中で生きていることを認識し、行動を変革するための教育。

地域循環共生圏

各地域が美しい自然景観等の地域資源を最大限活用しながら自立・分散型の社会を形成しつつ、地域の特性に応じて資源を補完し支え合うことにより、地域の活力が最大限に発揮されることを目指す考え方。

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