ESDの推進
チーム力を発揮 !!「脱炭素社会実現に向けたESD学習プログラムの創出」 ~ESD for 2030 学び合いプロジェクト 近畿ESDセンター分科会~
更新日:2022年10月11日
「ESD for 2030 学び合いプロジェクト」は、全国8ヵ所の地方ESDセンターでそれぞれテーマを設定し、5回の分科会と1回の実践を基本として実施しています。近畿では、第4回分科会を9月28日に開催しました。
第3回では、実践者であるお二人の教員から単元構想の案をご発表いただきました。第4回目では、単元構想案に対して参加者から出された意見・感想等も参考にしながら、実践者のお二人が授業実践に向けて作成された学習指導案を提案していただきました。
【実践①】比叡山高等学校 家庭科「風呂敷から考える持続可能な未来」
<連携拠点>(財団法人)淡海環境保全財団/滋賀県地球温暖化防止活動推進センター
風呂敷を題材に、高校生が日本の伝統文化や暮らし方の良さを再発見します。風呂敷に包んで物を届けることは、相手に対する真心と敬意を払うことであり、利他の心につながります。また、天然由来のものを丁寧に長く使う生活は、脱炭素社会へのライフスタイルであることに気づきます。1枚の布から見出した様々な魅力を、若い世代なりの捉え方で、持続可能な社会の創造を目指して、自分たちの学びを世界に発信する事をねらいます。
【実践②】箕面自由学園小学校 理科「『流れる水のはたらき』から森林の役割と環境保全と考える」
<連携拠点>近畿中国森林管理局箕面森林ふれあい推進センター
地域を流れる箕面川を切り口に、過去に地域で起きた洪水被害が、ダム建設につながったことを学びます。それでも、近年の地球温暖化による異常気象でもたらされる集中豪雨では、人工のダムに頼るだけでは甚大な被害を免れないことに気づき、水害の防止にもつながる“緑のダム”としての森の役割を学びます。また、森林環境を保全することで生物多様性が守られ、豊かな水質と森の恵みが得られ、安全・安心のためだけでなく、森と調和した新たな生活の関わり方が見えてきます。それは、脱炭素につながる暮らしです。子どもたちは、森林を守るために自分たちができることを考え行動します。
分科会の意見交流では、地域や暮らしを大事に思う心や誇りに思う気持ちが、子どもたちの意欲化や行動化を生み、そのような授業は楽しさにつながることを確認できました。
分科会テーマに沿って、子どもたちの価値観・行動の変容につながるような良い授業をつくり出せるよう、講師を交えた活発な意見交換の場づくりを行うことで、参加者が一つのチームなって、分科会は盛り上がりを見せています。二人の先生方も、大変意欲的に授業づくりを進めておられ、単元の流れの中に効果的に拠点プログラムを組み込んだ指導案となっています。
いよいよこれから授業実践です。第5回の報告にも期待が高まります。
以上、今回のESDサポート情報でした。
(中澤 地域教材化コーディネーター・学習指導コミュニケーター)
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正式名称は「環境教育等による環境保全の取り組みの促進に関する法律」(平成23年6月改正)。環境行政への民間団体の参加と、多様な主体による協働を推進するための規定が多く盛り込まれている。
国民、民間団体等、国又は地方公共団体がそれぞれ適切に役割分担しつつ、対等の立場において相互に協力して行う環境保全活動、環境保全の意欲の増進、環境教育その他の環境の保全に関する取組。
持続可能な開発のための教育(Education for Sustainable Development)。一人ひとりが、世界の人々や将来世代、また環境と関係性の中で生きていることを認識し、行動を変革するための教育。
各地域が美しい自然景観等の地域資源を最大限活用しながら自立・分散型の社会を形成しつつ、地域の特性に応じて資源を補完し支え合うことにより、地域の活力が最大限に発揮されることを目指す考え方。