ESDの推進

「いのちかがやく京都市動物園」構想に注目! ~近畿ESDセンター 学校教員のESD推進応援する拠点の取材~

更新日:2021年09月30日

近畿地方ESD活動支援センターでは、開設以来毎年、近畿内の博物館・環境学習施設・社会教育施設など地域に根差して学びを提供する拠点を取材し、学校の先生たちのESDの授業づくりに生かせるように、センターホームページで紹介しています。

今年度は、箕面ユネスコ協会(大阪)、京都市動物園(京都)の2つの拠点に取材を行う計画です。

9月29日に、今年度2つ目の拠点となる京都市動物園(京都市左京区)の取材を行いました。お話を伺ったのは、京都市動物園 生き物・学び・研究センター長の田中正之さんです。

京都市動物園は、明治36年開園の、日本では上野動物園に次いで2番目に古い動物園とのことですが、未来を見据えた動物園の新しい役割に挑戦する姿勢に大変感銘を受けました。

園は、2015年に全面リニューアルされ、飼育する動物達のことを第一に考えて「生まれてから死ぬまで、動物の暮らしをサポートする」という考え方で運営に取り組まれています。ただ動物をかわいがるだけではなく、命の重みや、人間がどのように他の生き物と共存していくべきかといった、SDGsにもつながるこれからの重要な概念の基本となるところだと感じました。

学校教育の中でも京都市動物園の見学やプログラムを生かして、小学校低学年では体験を通して生命の尊さを実感することができ、6年生理科の「生き物のくらしと環境」の単元では、循環のしくみを学ぶなど、学校や学年に応じて、様々な学びにつなげることができると思います。

現在、多くの大学や研究機関、海外とも連携して「いのちかがやく京都市動物園」の新しい構想が進んでいます。これもSDGs達成に向けて重要な、目標17にもなっている「パートナーシップ」の精神があってこそ継続できる取組だと思います。

京都市動物園が行っている教育普及活動も含めて、後日、近畿ESDセンターホームページ「学校教員のESD推進を応援する拠点レポート」としてお届けしますので、ご期待ください。

以上、今回のESDサポート情報でした。

(中澤 地域教材化コーディネーター・学習指導コミュニケーター)

京都市動物園には5頭の象がいます。1頭当たりの十分なスペースや日陰となる木の植樹、水場の設置など動物福祉に配慮してデザインされています。
動物園の一角に、お地蔵さんを見つけました。造園の際に地下から出てきたとの事。現在も
丁寧に祭られています。

環境教育等促進法

正式名称は「環境教育等による環境保全の取り組みの促進に関する法律」(平成23年6月改正)。環境行政への民間団体の参加と、多様な主体による協働を推進するための規定が多く盛り込まれている。

協働取組

国民、民間団体等、国又は地方公共団体がそれぞれ適切に役割分担しつつ、対等の立場において相互に協力して行う環境保全活動、環境保全の意欲の増進、環境教育その他の環境の保全に関する取組。

ESD

持続可能な開発のための教育(Education for Sustainable Development)。一人ひとりが、世界の人々や将来世代、また環境と関係性の中で生きていることを認識し、行動を変革するための教育。

地域循環共生圏

各地域が美しい自然景観等の地域資源を最大限活用しながら自立・分散型の社会を形成しつつ、地域の特性に応じて資源を補完し支え合うことにより、地域の活力が最大限に発揮されることを目指す考え方。

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