地域循環共生圏づくりの推進

森里川海の視点で考える地域循環共生圏

更新日:2021年08月24日

きんき環境館では、「つなげよう、支えよう、森里川海」のプロジェクト推進に向けても、地域循環共生圏の視点を加えながら自治体の皆様と協議をさせていただき、普及啓発に取り組んでいます。このプロジェクトは、国民全体で「森里川海を豊かに保ち、その恵みを引き出すこと」「一人一人が、森里川海の恵みを支える社会をつくること」を目指す環境省の取り組みです。

 先日、和歌山市の自治体職員の皆様と森里川海推進ネットワーク形成会合に向けた協議をする中で、和歌山市沖に浮かぶ無人島群「友ヶ島」を核とした地域循環共生圏を構想する話題となりました。これまで地域循環共生圏は人が生活するエリアを核として取り組みを進める事例がほとんどでしたが、無人島を核にした場合でも、関係人口という関わり方を利用することで、無人島を“地域資源”としてビジネスを起こしていくことも、地域循環共生圏構築の一つのモデルケースになるのではないかという新たな気づきがありました。

 地域循環共生圏を構築する上では、どのエリアで地域循環共生圏を作るかを考えることが重要となりますが、例えば今回のような無人島もそうですが、人が立ち入らなくなった森や川、耕作放棄地となってしまった里といったエリアについても、地理的・地学的な背景からどのような歴史があり、かつて人々の営みとどのようなつながりが保たれていて、今どのような恵みが受けられるかという森里川海の視点と、その恵みを支えるためのビジネスの視点を加えることで、これまで気づかなかった新たな構想が浮かび上がり、これまでの取り組みをさらに深化させることができるのではないでしょうか。

以上、今回の地域循環共生圏お役立ち情報でした。 

(蒔田 コミュニケーションディレクター・ジオパーク専門員)

例えば、森里川海を考える上で、水害とダムはとても重要な視点です。昔は、大雨が降り森から豊かな資源が里や川に供給され、そこで育まれた恵みを受け人々は生活してきましたが、水害で悩まされることもありました。一方で、近年、川の上流にダムを作り供給が少なくなることで川の生態系が変化することに悩まされつつも、水害から地域を守れている現状があります。森里川海の地域の歴史や背景を知り、これからどうしていくかを地域の多様な主体と共に考え、実行することが大切です。

環境教育等促進法

正式名称は「環境教育等による環境保全の取り組みの促進に関する法律」(平成23年6月改正)。環境行政への民間団体の参加と、多様な主体による協働を推進するための規定が多く盛り込まれている。

協働取組

国民、民間団体等、国又は地方公共団体がそれぞれ適切に役割分担しつつ、対等の立場において相互に協力して行う環境保全活動、環境保全の意欲の増進、環境教育その他の環境の保全に関する取組。

ESD

持続可能な開発のための教育(Education for Sustainable Development)。一人ひとりが、世界の人々や将来世代、また環境と関係性の中で生きていることを認識し、行動を変革するための教育。

地域循環共生圏

各地域が美しい自然景観等の地域資源を最大限活用しながら自立・分散型の社会を形成しつつ、地域の特性に応じて資源を補完し支え合うことにより、地域の活力が最大限に発揮されることを目指す考え方。

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