多様な意見交換の場づくり

地域循環共生圏カフェ ―プラットフォーム形成に向けたインキュベーター的な場の試み

更新日:2020年12月28日

 地域循環共生圏カフェ「森里川湖をサステナブルに暮らそう!―循環と共生のローカルSDGsづくり in ながはま」を12月1日、滋賀県の長浜市役所にて開催しました。

 ゆるやかなスタイルの交流から地域循環共生圏構築のきっかけ創出を狙って、肩ひじの張らないカフェのスタイルを採用しました。市内の民間団体や大学、市役所、市議会等からご参加いただき、環境分野だけではなく、地域福祉、消費、研究教育等の多様な関心・課題を共有することができました。

 カフェでは、はじめに滋賀県立大学地域共生センターの鵜飼修先生に持続可能な地域づくりのための地域資源の発掘についてお話をいただいた後、ながはま森林マッチングセンターの橋本さん、ライダーハウス日本何周の乾さん、湖北水鳥センターの植田さんから、森・里・湖の視点からお一言ずつコメントを寄せていただきました。その後、参加者それぞれが関心を持つ地域資源について情報交換する交流をおこないました。

 カフェの時間の中で、長浜の地域資源を再確認して魅力にあらためて気づくこと、長浜の地域資源を生かす取組や取り組む人に関心を持って自らの活動とのつながりを感じること、そして、多様な人によって地域資源を生かす行動が活性化することが、長浜を次世代へ継承するために大事だと共感することができたと考えています。

 このようなカフェの参加者から、「ローカルSDGsの達成」に関心を持つ人が集まって、地域循環共生圏づくりに向けた具体的な取組・プロジェクトへと進展されるためには、コアなメンバーによる企画探究のチームづくりを支援する必要があると思われました。地域資源活用への意欲の高い市民・民間団体、地域資源の客観的価値について詳しい大学・有識者、そして、地域資源活用の実施可能性について詳しい自治体がそのようなチームに欠かせない構成メンバーであり、その三者の協調連携をうながすことが地域循環共生圏に取り組む協働体を創出する上で大事ではないかと、今回のカフェ企画の実践を通じて気づかされました。

 年が明けたら、次年度の地域循環共生圏づくりに関わる事業が発表される予定です。こうした事業の機会を活用いただけるように地域での多様な主体による協働を応援できればと考えています。

 以上、今回の地域循環共生圏お役立ち情報でした。

 (田中 コミュニケーションプロデューサー・科学コミュニケーター)


 カフェは、長浜市の多様な主体が交流しながら、参加者の暮らしや地域での活動を、持続可能な地域づくりやローカルSDGsの視点から、見つめ直す機会をつくり、地域循環共生圏の考え方を親しみやすい雰囲気の中で啓発する場づくりの試みとして実施しました。

 会場は常時換気し、参加者にはマスク着用・入口でのアルコール消毒等の感染症対策にご協力いただきました。

環境教育等促進法

正式名称は「環境教育等による環境保全の取り組みの促進に関する法律」(平成23年6月改正)。環境行政への民間団体の参加と、多様な主体による協働を推進するための規定が多く盛り込まれている。

協働取組

国民、民間団体等、国又は地方公共団体がそれぞれ適切に役割分担しつつ、対等の立場において相互に協力して行う環境保全活動、環境保全の意欲の増進、環境教育その他の環境の保全に関する取組。

ESD

持続可能な開発のための教育(Education for Sustainable Development)。一人ひとりが、世界の人々や将来世代、また環境と関係性の中で生きていることを認識し、行動を変革するための教育。

地域循環共生圏

各地域が美しい自然景観等の地域資源を最大限活用しながら自立・分散型の社会を形成しつつ、地域の特性に応じて資源を補完し支え合うことにより、地域の活力が最大限に発揮されることを目指す考え方。

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