地域循環共生圏づくりの推進

地域循環共生圏づくりの相談に対する支援プロセス

更新日:2022年06月30日

きんき環境館では、地域循環共生圏づくりにチャレンジする地域に対して、地域資源の発掘状況や仲間づくりの段階など に応じて情報提供・相談対応により、その推進を支援しています。

わたしなりに、その取組を整理すると図1のようなかたちになります。この図に示す全体構成 や各ステップの項目は、きんき環境館で実践してきた知見だけでなく、全国各地のEPOで協働取組加速化事業・SDGs同時解決事業等での支援事務局に取り組む中で得られた事業 報告・成果物、それらの取組を学術的に分析・考察して発表された論文・著作、さらには、地域循環共生圏づくりのために作成されている環境省の手引き等の内容を反映しています。

まず、地域の自治体・民間団体 などからのご相談を受けると、その内容 をスタッフ間で共有しながら、どのステップ の支援に相当するのかを意識しつつ、対応を協議 します。ご相談に対応していく中で、地域の新たな 特徴や別の課題が見えてくることもあります。ステップを前に進められるよう助言・情報提供していますが、地域に対するわれわれの「診立て」 を再考するなどした結果、別のステップの取組支援 に注力する必要が出てくる場合もあり、図に示す段階を左右に行き来することも起こりえます。

近畿各地で今年度の活動を忙しく進められている時期ですが、これから秋にかけては、来年度事業の企画や助成金申請などの構想を進められる時期でもあります。検討されている事業構想に、外部の視点を加えたブラッシュアップのお手伝いをさせていただきます。引き続き、ご関心のある方々のご相談を随時お待ちしています。

以上、今回の地域循環共生圏お役立ち情報でした。

(田中 コミュニケーションプロデューサー・科学コミュニケーター)

図1.地域循環共生圏づくりに向けたインキュベーター的機能
 大まかには、個人・少人数でのアイデアを発端に、左から右に進み、地域循環共生圏や他の環境省の事業に応募したり、環境活動の助成金申請などをおこなうなど、取組を次へと発展させていくイメージです。限られたリソースの中で、効果的に伴走するために、スタッフの専門性を考慮した役割分担を心がけています。
写真1.南丹市八木町の農村風景。田畑の広がる地域に畜産農家や食品工場が点在する。畜産廃棄物・食品廃棄物を利用するバイオエコロジーセンターから産出される液肥の有効活用が事業で目指されている。地域全体で資源をうまく循環させている姿の効果的な発信がさらに必要ではないかと感じている。
写真2.八尾市高安地区の景観。山麓のため池と農地が広がる向こうに大阪平野の都市部が見える。ため池の淡水魚を保全する活動にはじまって、上流側の森林、下流側の田畑など、池につながる地域の多様な主体を巻き込むプラットフォームが形作られつつある。

環境教育等促進法

正式名称は「環境教育等による環境保全の取り組みの促進に関する法律」(平成23年6月改正)。環境行政への民間団体の参加と、多様な主体による協働を推進するための規定が多く盛り込まれている。

協働取組

国民、民間団体等、国又は地方公共団体がそれぞれ適切に役割分担しつつ、対等の立場において相互に協力して行う環境保全活動、環境保全の意欲の増進、環境教育その他の環境の保全に関する取組。

ESD

持続可能な開発のための教育(Education for Sustainable Development)。一人ひとりが、世界の人々や将来世代、また環境と関係性の中で生きていることを認識し、行動を変革するための教育。

地域循環共生圏

各地域が美しい自然景観等の地域資源を最大限活用しながら自立・分散型の社会を形成しつつ、地域の特性に応じて資源を補完し支え合うことにより、地域の活力が最大限に発揮されることを目指す考え方。

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