平成31/令和元年度事業計画

平成31/令和元(2019)年度きんき環境館の事業計画をお知らせいたします。

業務の目的

(1)「環境教育等による環境保全の取組の促進に関する法律」に基づく国民等の自発的な取組の促進に関する業務

持続可能な社会を構築する上で、国民、民間団体等が行う環境保全活動並びにその促進のための環境保全の意欲の増進及び環境教育が重要であることに加え、これらの取組を効果的に進める上で協働取組が重要となります。
近畿環境パートナーシップオフィス(きんき環境館)は、「環境教育等による環境保全の取組の促進に関する法律(以下、環境教育等促進法)」の規定する国の役割を果たすため、近畿地方の事情を踏まえて各種事業等を企画し、市民、NPO/NGO、行政、企業等、社会を構成する様々な主体による協働・連携の取組を広げ、効果的・効率的に環境保全活動、多種多様な環境施策への協力及びESD活動等を活性化させることを目的とします。

(2)「近畿地方ESD活動支援センター」に関する業務

文部科学省と環境省の共同提案により、各地域で根付いてきた取組を全国各地に広げるために、平成28年4月にESDを推進するための全国的なハブとなるべきESD活動支援センター(全国)を開設し、平成29年7月から9月にかけて全国8ブロックに地方ESD活動支援センターが開設されました。
全国レベルでESD活動の支援を行う全国ESDセンターとの連携を図りつつ、広域ブロックにおけるESD推進ネットワークのハブ機能を担うことにより、ESD活動に関連する多様な主体の地域ネットワークの構築を図り、もって国内におけるESDの一層の推進を目的とします。

業務内容及び事業計画

(1)環境教育等促進法に基づく国民等の自発的な取組の促進に関する業務

ア 持続可能な社会の実現に向けた地域協働モデルの創出
イ 環境基本計画に沿った環境教育支援事業
ウ 中間支援機能の強化
エ 環境施策・対策に係る立案の策定支援等
オ 相談対応・情報提供等

(2)「近畿地方ESD活動支援センター」に関する業務

ア 近畿地方ESD活動支援センターの運営
イ 地域のESD活動に関するネットワークの構築
ウ ESD活動に関する相談・支援窓口及び国内外の情報収集・一元的な発信等

 

(1)環境教育等促進法に基づく国民等の自発的な取組の促進に関する業務

 

ア 持続可能な社会の実現に向けた地域協働モデルの創出

1).地域における協働取組モデルの創出及びプラットホーム運営等支援
昨年度まで、地域のプラットホーム創出・運営による自治体施策推進の加速化の検証に取り組みました。今年度はそのスキームを転用して、地域循環共生圏の創造に向けて、兵庫県川西市において自然環境を活かした持続可能なライフスタイル実践に向けて多様な構成員が相乗的な関係性を創出できるプラットホームの構築を支援します。また、関係性づくりのプロセスや場の運営における留意点など、プラットホームの創出・運営に取り組む際の参考になるよう取りまとめを行います。

<参考>
環境省 地域循環共生圏について
https://www.env.go.jp/seisaku/list/kyoseiken/index.html

2).地域で環境保全活動等を行う団体と大学との連携の促進
これまで、持続可能な地域づくりに向けて、地域で環境保全活動を行う団体と大学との連携による自治体施策推進を支援してきました。今年度は、本事業で連携した自治体・地域の活動団体・大学にヒアリングを行うとともに、これら主体が連携する効果や留意点等を抽出して取りまとめを行うために、各主体が参加するワークショップを開催します。

 

 

 

 

 

 

<写真:丹波篠山市での地域団体・大学・自治体との連携事例について近隣自治体職員による視察(2018年度)>

3). 地域活性化に向けた協働取組の加速化事業の採択事業に係るフォローアップ
環境省「地域活性化に向けた協働取組の加速化事業」に係る採択団体(平成27~28年度採択団体1団体、平成28~29年度採択団体1団体)及び、これらの団体と連携する各主体に対し、中期計画の進捗状況を確認し、取組に対する助言・情報提供等の支援を行います。

 

 

 

 

 

 

<写真:「地域活性化に向けた協働取組の加速化事業」協働ギャザリング(2018年2月)>

4).平成31年度 持続可能な開発目標(SDGs)を活用した地域の環境課題と社会課題を同時解決するための民間活動支援事業に係る中間支援業務
環境省「平成30年度持続可能な開発目標(SDGs)を活用した地域の環境課題と社会課題を同時解決するための民間活動支援事業(以下、同時解決事業)」において採択された事案に対して、平成31年度事業における地方支援事務局の役割を担い、地域内各地で活動する関係主体や拠点施設等と連携し、持続可能な社会に向け環境課題とその他の社会課題の同時解決に資する協働モデルの創出を目指して支援を行います。
近畿地方の採択団体は以下の団体です。
・ 竹生島タブノキ林の保全・再生事業推進協議会(滋賀県長浜市)

 

 

 

 

 

 

<写真:採択団体の取組地域である竹生島から琵琶湖を望む>

イ 環境基本計画に沿った環境教育支援事業

「第五次環境基本計画」の重点戦略に留意しながら、身近に存在する地域資源を活かした持続可能な暮らしの実現に向けた「地域循環共生圏」の構築を目指して、自治体や環境学習施設等との連携促進を図りながら、地域住民等向けと自治体職員向けにそれぞれセミナーを開催します。セミナーでは、SDGsの視点を活用して、持続可能な暮らしの実現に向けた多様な主体との連携・協働や自治体部局間の交流のきっかけをつくるワークショップを行います。

 

 

 

 

 

 

<写真:SDGsの視点で自身の取組や日常生活を読み解くワークショップ(2019年1月)>

ウ 中間支援機能の強化

平成28~30年度環境教育・学習拠点における「ESD推進」のための実践拠点支援事業において、支援・フォローアップを行った拠点及びこれらの拠点と連携する各主体に対して、取組の進捗状況を確認しつつ、活動に関する助言。情報提供等の支援を行います。また、地域の環境活動を促進させることを目的として、これまで環境との関わりが薄かった分野の団体等への働きかけを可能とする中間支援機能(拠点)を新たに発掘し、情報収集を行います。
平成28~30年度環境教育・学習拠点における「ESD推進」のための実践拠点支援事業において、支援・フォローアップを行った拠点は、下記の3拠点です。
・池田市エコミュージアム
・びわ湖大津館
・和歌山県立自然博物館

エ 環境施策・対策に係る立案の策定支援等

地域循環共生圏の創出や環境教育等促進法に基づく施策の推進に向けて、地域の主体間連携促進の要である自治体の職員への情報提供や意見交換の場づくりを行います。また、各地域内における多様な主体間の連携または自治体内の部門間横断連携の加速化を促したと考えられる場の運営の留意点に関するとりまとめなど、これまでの場の運営において得られた知見等についての可視化に向けた検討を行います。

 

 

 

 

 

 

<写真:環境教育等促進法をテーマにした環境施策情報交換会(2017年12月)>

オ 相談対応・情報提供等

環境教育等促進法第19条第1項に基づく国の拠点として、各種情報の照会及び相談に対して、助言・情報提供を行います。また、きんき環境館のメールマガジン及びホームページ等を通じて、地域の協働取組や環境保全活動の促進に寄与する情報提供等を行います。

 

(2)「近畿地方ESD活動支援センター」に関する業務

 

ア 近畿地方ESD活動支援センター(以下、近畿ESDセンター)の運営

平成29年7月に開設した近畿ESDセンターの運営にあたって、多様な主体が参画・連携し、ESD活動に取り組む地域の活動拠点の形成を推進・支援するとともに、地域のESD活動実践者・実践団体等の声を踏まえて、情報の一元的な発信、地域のESD推進ネットワークの構築、地域の活動支援、国際的な情報の発信や交流支援等を行います。
運営にあたっては、ESDの推進に先進的に取り組む自治体・企業等の担当者、学識経験者、地方で環境保全活動に取り組んでいる専門家等からなる企画運営委員会において、事業運営方針等について協議を行います。

 

 

 

 

 

 

<写真:近畿ESDセンター企画運営委員会(2018年度)>

イ 地域のESD活動に関するネットワークの構築

地域のESD活動実践者当がお互いの活動情報の共有など相互に交流できる機会を提供するなど、地域間・各主体間のネットワークの構築を図ります。

1).ESD推進ネットワーク全国フォーラムへの出席等
全国ESDセンターが主催するESD推進ネットワーク全国フォーラムに出席し、各地域のESD実践者等との交流を図ります。全国フォーラムへの出席の結果については、近畿ESDセンターWEBサイト等を活用して、地域のESD実践者等に情報提供を行います。

2).地域でESDを推進する拠点のニーズの把握
地域でESD活動のネットワークを形成していくために、地域でESDを推進する拠点へのヒアリングを実施します。ヒアリング結果は、近畿ESDセンターWEBサイト等を活用して情報発信を行います。

3).ESDの視点による地域を教材にした授業づくり・実践の試行
ESDを先進的に実践する教員に対して、地域資源を活用し、自治体施策との連動を意識したESDに関する学習指導事例創出のために、助言・情報提供を行います。また、その学習指導案の作成過程において、近畿圏でESDを先進的に実践する教員同士の相互参照の場を開催し、子どもたちの深い学びに繋がるものとするための指導案の検討を行います。

 

 

 

 

 

 

<写真:近畿圏でESDを先進的に実践する教員同士の相互参照の場(2018年7月)>

4).ESD推進ネットワーク地域フォーラムの開催
地域における多様なステークホルダーが一堂に集い、地域ネットワークを構築する機会として、ESD推進ネットワーク地域フォーラム(1月開催予定)を開催します。

 

 

 

 

 

 

<写真:近畿ESDフォーラムにおける多様なステークホルダーのワークショップ(2019年1月)>

5).地域ESD活動推進拠点の登録及び支援
地域ESD活動推進拠点の登録を促進するために、ESD活動実践者等に対する情報発信や調整等を行います。また、地域ESD活動推進拠点との間で情報共有やイベント協力等の連携を図り、地域におけるESD活動の支援を行います。

<参考>
地域ESD活動推進拠点について
https://esdcenter.jp/kyoten/

ウ ESD活動に関する相談・支援窓口及び国内外の情報収集・一元的な発信等

ESD活動実践者等から、ESD活動を実践するに当たって相談に対して助言・情報提供を行います。また、近畿ESDセンターのホームページを活用して、地域のESD活動事例や地域のESDの推進に役立つ情報等の発信を行います。

<参考>
ESD活動支援センター(全国)のURL
https://esdcenter.jp/

近畿ESDセンターのURL
https://kinki.esdcenter.jp/

 

(3)その他

上記の事業を効率的・効果的に実施するため、GEOC、全国ESDセンター、各地方EPO、地方ESDセンターと連携します。また、事業の実施にあたっては、アドバイザリー委員会を設置し、幅広い関係者の参画を得て事業を推進します。

 

環境教育等促進法

正式名称は「環境教育等による環境保全の取り組みの促進に関する法律」(平成23年6月改正)。環境行政への民間団体の参加と、多様な主体による協働を推進するための規定が多く盛り込まれている。

協働取組

国民、民間団体等、国又は地方公共団体がそれぞれ適切に役割分担しつつ、対等の立場において相互に協力して行う環境保全活動、環境保全の意欲の増進、環境教育その他の環境の保全に関する取組。

ESD

持続可能な開発のための教育(Education for Sustainable Development)。一人ひとりが、世界の人々や将来世代、また環境と関係性の中で生きていることを認識し、行動を変革するための教育。

地域循環共生圏

各地域が美しい自然景観等の地域資源を最大限活用しながら自立・分散型の社会を形成しつつ、地域の特性に応じて資源を補完し支え合うことにより、地域の活力が最大限に発揮されることを目指す考え方。

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