多様な意見交換の場づくり

地域を知る上での歴史の大切さ

更新日:2015年09月24日

和歌山県印南町へ、地域資源の教材化に向けた取組の支援に伺いました。
前回、8月のワークショップで参加者から出てきた印南町の資源は、切目川の恵みと真妻のワサビでした。
今回は、その2つについて、実際に現地をまわり地域資源の現状を把握する作業を行いました。

まず、切目川に実際に入り、川の恵みを知る体験をしました。少し岩をどかしただけでテナガエビが捕れ、網をうてばアユがたくさん捕れました。ウナギやモクズガニもたくさんいるそうです。

次に、真妻わさびの発祥の地として知られる真妻地域へ。ここでは今もワサビの栽培が行われています。ワサビ田は険しい山の中腹に、石を積みあげ作られたものでした。ワサビ田を取り囲むように石垣も作られており、イノシシや鹿をよけるために、一つ一つ人の手で積み作り上げたものだそうです。山水を使い時間をかけて育てるワサビの栽培は、台風などの水害の歴史でもあり、イノシシやシカなどの食害といった獣害の歴史でもあります。

持続的な開発のための教育には、世代間の公平、つまり将来世代に対する責任をもって行動する人を創ることが求められています。次世代に今ある資源を継承するには、まず先人達がどのようにして今ある形で私たちに残してくれたのかを知ることも大切です。

地域資源の教材化にむけた作業では、市史や町史といった郷土資料を紐解く作業を通して、地域の姿が先人たちによってどのように作られてきたかを、 参加者の方々が気付ける機会を作っています。

切目川の恵みが、今までどのように保たれてきたのか。真妻のワサビを作ってきた地域の先人達の努力はどのようなものであったか。地域の住民である参加者の方々も、地域の歴史を改めて知る必要に気付かれたようです。
次回は、町史を紐解き、地域の歴史を振り返る作業を行います。

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(赤石)

環境教育等促進法

正式名称は「環境教育等による環境保全の取り組みの促進に関する法律」(平成23年6月改正)。環境行政への民間団体の参加と、多様な主体による協働を推進するための規定が多く盛り込まれている。

協働取組

国民、民間団体等、国又は地方公共団体がそれぞれ適切に役割分担しつつ、対等の立場において相互に協力して行う環境保全活動、環境保全の意欲の増進、環境教育その他の環境の保全に関する取組。

ESD

持続可能な開発のための教育(Education for Sustainable Development)。一人ひとりが、世界の人々や将来世代、また環境と関係性の中で生きていることを認識し、行動を変革するための教育。

地域循環共生圏

各地域が美しい自然景観等の地域資源を最大限活用しながら自立・分散型の社会を形成しつつ、地域の特性に応じて資源を補完し支え合うことにより、地域の活力が最大限に発揮されることを目指す考え方。

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