地域循環共生圏づくりの推進

紀の川・吉野川での協働取組に向けて ヒアリングからワークショップへ

更新日:2015年11月30日

紀の川(吉野川)での協働が静かに着々と進められています。

 11月7日、流域協議会による講演会が開催されました。大阪・新今宮駅から開創1200年の秋の高野山に向かう電車は満員でした。高野町の二千五百ほどの人が住む中心地に、年間百数十万人の訪問者があるそうですが、その恩恵がある一方で環境への負荷もあるそうです。この地域も紀ノ川吉野川流域に含まれます。
 基調講演をされたサントリーの山田健さんは、流域の自治体職員の方と上流から下流を巡られたそうです。外からの訪問者が深く感動する場面に出会って、地元・地域の方があらためて価値に気づくことがあるそうです。そのような素晴らしい出会いの機会となったのではないかと講演会から感じました。
 事業開始後7月から11月までに採択団体が実施したヒアリングでは、出会う人ごとに趣旨を説明して、さまざまな事実や意見をうかがってきました。同時に、過去の関わりを掘りおこしたり、紀ノ川吉野川での恵みの価値を共感したり、いろいろな要素のつまったヒアリングでした。その結果、進むべき方向は、先生と地域とのつながりを応援し、(こどもだけではなく)大人の意識や行動の変化にかかわることだとの合意が作られつつあります。この考え方を踏まえたワークショップが、11月24日、川上村にて開催されました。そのとき訪れた水源地の森(三之公地区)での写真を掲載します。
 紀の川の水は、下流で上水として使われています。源流の森以外にも、恵の水をもたらす流域は広がっていて、さまざまに経由しながら、使う人に水が届きます。樹齢400年の人工林を通り抜けた水、町で一度汚れてから微生物などにより浄化されて川へ戻った水、中流の農地で使われた水、いずれも人の関わる自然を通り抜けてきます。その意味で、流域各所で自然とかかわる人はいずれも水の源を守る人だと言えるかもしれません。
 今後、紀ノ川中流(12月5日)、下流(12月6日)においてもワークショップが実施されます。その後の教材化に向けた試行をしっかり検証したいと思います。

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(コミュニケーションディレクター 田中)

環境教育等促進法

正式名称は「環境教育等による環境保全の取り組みの促進に関する法律」(平成23年6月改正)。環境行政への民間団体の参加と、多様な主体による協働を推進するための規定が多く盛り込まれている。

協働取組

国民、民間団体等、国又は地方公共団体がそれぞれ適切に役割分担しつつ、対等の立場において相互に協力して行う環境保全活動、環境保全の意欲の増進、環境教育その他の環境の保全に関する取組。

ESD

持続可能な開発のための教育(Education for Sustainable Development)。一人ひとりが、世界の人々や将来世代、また環境と関係性の中で生きていることを認識し、行動を変革するための教育。

地域循環共生圏

各地域が美しい自然景観等の地域資源を最大限活用しながら自立・分散型の社会を形成しつつ、地域の特性に応じて資源を補完し支え合うことにより、地域の活力が最大限に発揮されることを目指す考え方。

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