多様な意見交換の場づくり

生物多様性保全に対する企業の意識の高まり~森里川海推進ネットワーク会合開催報告~

更新日:2023年03月01日

きんき環境館では、今年度、森里川海推進ネットワーク会合と題して自然環境保全や自然を生かした地域づくりに取り組む主体(民間企業、自治体、NPO等)を対象とした場づくりを年2回開催しました。2022年7月に和歌山市で開催し、先日1月17日に大阪市で開催しました。会合のアナウンスはこちら。

環境省では、令和4年度から、民間の取組等によって生物多様性の保全が図られている区域を「自然共生サイト(仮称)」として認定して保全活動を展開していくために、試行期間として審査プロセスの試行・検証その他課題検討を行い、令和5年度より正式に認定を開始する予定となっています。本イベントはその認定制度の活用を見据えて、主体間のネットワーク構築及び取組内容の理解促進を目的に実施しました。

本会合では、主に企業のCSR担当者を中心に100名近くの参加がありました。きんき環境館では、多様な主体を対象にした場づくりを行っていますが、参加者のほとんどが企業の担当者からの申し込みという場は、初めての体験でした。と同時に、自然共生サイトやOECM、生物多様性の取組に企業の方々の関心が非常に高いことが確認できました。

アンケートでは、本イベントの募集要項を見て参加の決め手となったキーワードについて「生物多様性」の他に「企業の社会的価値」というワードであったことが分かり、生物多様性保全を通じて社会貢献したいと考えているが、どのようにすればよいかが分からず情報収集中である企業が多いことが確認できました。

当日は、積水ハウス株式会社・サントリーホールディングス株式会社・パナソニック株式会社の3社の生物多様性保全に係る取組をご発表いただき、トークセッションを行いました。「本イベントへの参加を決めたキーワード」に対して企業3社の内容が「とても合致」していたという割合が半数以上あり、参加者の多くは企業の具体的な事例からヒントを得て、自社の取組に活かそうという高い意識があることが分かりました。

今後も、きんき環境館では、環境省の生物多様性保全施策に係る最新の情報を入手・発信しながら、生物多様性保全への理解促進や主体間のネットワーク構築に向けて、生物多様性という地域資源を活かした持続可能な社会づくりを支援していきたいと思います。

(蒔田 コミュニケーションディレクター・ジオパーク専門員)

トークセッションの様子です。企業の環境保全担当者同士やモデレーターとの対話により、企業が取り組むことによる新たな価値や気づきを得られるような機会としました。

環境教育等促進法

正式名称は「環境教育等による環境保全の取り組みの促進に関する法律」(平成23年6月改正)。環境行政への民間団体の参加と、多様な主体による協働を推進するための規定が多く盛り込まれている。

協働取組

国民、民間団体等、国又は地方公共団体がそれぞれ適切に役割分担しつつ、対等の立場において相互に協力して行う環境保全活動、環境保全の意欲の増進、環境教育その他の環境の保全に関する取組。

ESD

持続可能な開発のための教育(Education for Sustainable Development)。一人ひとりが、世界の人々や将来世代、また環境と関係性の中で生きていることを認識し、行動を変革するための教育。

地域循環共生圏

各地域が美しい自然景観等の地域資源を最大限活用しながら自立・分散型の社会を形成しつつ、地域の特性に応じて資源を補完し支え合うことにより、地域の活力が最大限に発揮されることを目指す考え方。

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