ESDの推進

環境拠点施設REPORT② 自然が好きな人の集まる場 ~大阪市立自然史博物館

更新日:2013年09月30日

環境拠点施設REPORT②

○自然が好きな人の集まる場 ~大阪市立自然史博物館

 環境拠点施設レポート第2弾は、日本を代表する自然系博物館のひとつである大阪市立自然史博物館です。

 8月7日、「教員のための博物館の日 2013 in 大阪市立自然史博物館」が開催され、きんき環境館の田中が参加しました。“教員のための博物館の日”は、国立科学博物館が提唱し、呼応する博物館が連携して開催する事業です。2013年には、国立科学博物館の他に全国5箇所で開催されていて、大阪市立自然史博物館もそのひとつです。「学校の先生のスキルアップと視野拡大のための場」として企画され、学校教育での博物館利用の具体的説明、それと同時に、学芸員の案内による自然体験の機会がたくさん用意されていました。
 わたしは、大阪湾の多様な生物標本と食の説明、ホームセンターで購入できる土にある鉱物の顕微鏡観察、恐竜をはじめとする大型動物の進化の説明に参加し、それぞれとても興味深く、楽しませていただきました。また、展示ブースに設けられたコーナーでは、近隣の博物館や、動物園・大学附属の実験所・地域の自然館等も出展されていました。

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 今回、イベントの冒頭で、博物館を自然の好きな人がもっと集まる場にしたいこと、そして、博物館と市民の交流をさらに進めたいと考えていることが説明されました。その実現のためには、15名の学芸員と学校の先生らが“コミュニティ”をかたちづくって、そのような場を介して、社会との深いつながりを築いていこうというビジョンを示されました。

 こども・大人を問わず“楽しく学ぶことができる場”としての認知度や学校・地域社会との連携の実績を見ると、環境教育やESDを推進する役割を同博物館がすでに担っているように思われます。
 ところで、同博物館は、「友の会」会員との連携などにおいて市民と自然を楽しむ交流に留まらず、市民協働での研究活動を通した市民へのエンパワメントも重視しています。そういった活動をおこなう中で、環境教育やESD教育が大切にしている“自ら課題を発見したり、課題解決をする力”が市民に育まれていくと思います。同博物館での市民との協働のあり方がさらに「見える化」すると、環境教育やESD教育の場として、一層注目を集めることになるだろうと感じました。そして、学芸員が豊富な専門的知識を市民に伝えるという従来の役割に、協働やコミュニティを育む場の運営という役割も、これからの博物館には加わっていくのかもしれません。

 写真は、学芸員と一緒に歩く解説ツアー(特別展「いきもの いっぱい大阪湾」)の様子。学芸員の説明とともに、たくさんの海の生き物の標本が迫力を増していきます。

(田中)

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【DATA】
大阪市立自然史博物館
URL:http://www.mus-nh.city.osaka.jp/
住所:〒546-0034 大阪市東住吉区長居公園1-23
TEL:06-6697-6221
料金: 大人 300円
    高校生・大学生 200円
    中学生以下 無料
    市内在住の65歳以上の方・障害者手帳をお持ちの方 無料
    (大阪市立自然史博物館・長居植物園共通の入場料です。
    特別展の入場料は、催し物によって異なります。
    ウェブサイトなどの特別展案内をご確認ください。)
開館時間:3月~10月 午前9時30分~午後5時 (入場は午後4時30分まで)
     11月~2月 午前9時30分~午後4時30分 (入場は午後4時まで)
休み:  月曜日(休日の場合はその翌日)
     年末年始(12月28日~1月4日)
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環境教育等促進法

正式名称は「環境教育等による環境保全の取り組みの促進に関する法律」(平成23年6月改正)。環境行政への民間団体の参加と、多様な主体による協働を推進するための規定が多く盛り込まれている。

協働取組

国民、民間団体等、国又は地方公共団体がそれぞれ適切に役割分担しつつ、対等の立場において相互に協力して行う環境保全活動、環境保全の意欲の増進、環境教育その他の環境の保全に関する取組。

ESD

持続可能な開発のための教育(Education for Sustainable Development)。一人ひとりが、世界の人々や将来世代、また環境と関係性の中で生きていることを認識し、行動を変革するための教育。

地域循環共生圏

各地域が美しい自然景観等の地域資源を最大限活用しながら自立・分散型の社会を形成しつつ、地域の特性に応じて資源を補完し支え合うことにより、地域の活力が最大限に発揮されることを目指す考え方。

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