地域循環共生圏づくりの推進

地域循環共生圏構築に向けた仲間づくりは地域資源の可視化に繋がる

更新日:2021年07月26日

環境省「環境で地方を元気にする地域循環共生圏づくりプラットフォーム事業」の取り組みが各地域で始まり、先日からきんき環境館スタッフが採択団体の地域を訪問して、意見交換会に向けての協議や現地見学などをさせていただいます。

 本事業では、環境省環境計画課から出された『地域循環共生圏創造の手引き』を活用して、地域の「ありたい未来」に向けて「話を聞きに行き、ステークホルダーとの関係性を構築して、リストを作成する。」「地域のコンセプトを描いて、ステークホルダーとありたい未来について語り合い、地域版曼荼羅を作成する。」「事業のストーリーをハッピーな将来像を思い浮かべながら事業骨子や課題、あらすじを整理する。」「地域の目標を数字として具体化して設定する。」といったプロセスの中で地域の多様な主体が協働するプラットフォームづくりを進めるのですが、どのフェーズにおいても重要になるのが事業化に向けた地域資源の洗い出しです。

 地域循環共生圏を構築する上で、地域資源を活用したビジネス化(事業化)というのが一つのポイントとなるわけですが、ターゲットとする顧客のニーズに対して地域資源をどのように見せていくかが鍵となります。そして、1つの地域資源の価値を高めるには、様々な主体からあらゆる視点で整理することで、価値がより鮮やかに見えてきます。

先日訪問した多賀町大滝地区にある大蛇ヶ淵は、紅葉が美しいといった観光の視点でのPRにより秋ごろには写真家を中心に多くの方が訪れますが、それだけでなく、大蛇ヶ淵ができた背景(地形学的要因)やその周りで行われてきた様々な神事(歴史学的背景)といったことを加えることで、その資源を通じて地域が一番伝えたいことが可視化され、看板・パンフレット作成や広報宣伝文句などがシャープ伝わりやすい言葉で表現できます。

このように、ただ単に多様な主体にお声がけするのではなく、その先にある事業化に向けた地域資源の可視化を想定してお声がけすることが大切です。

以上、今回の地域循環共生圏お役立ち情報でした。 

(蒔田 コミュニケーションディレクター・ジオパーク専門員)


多賀町大滝地区にある大蛇ヶ淵は犬上川の上流部にある景勝地です。秋には紅葉で多くの方が訪れますが、紅葉以外にも様々な魅力がある場所であることが現地で地域の方と対話することでより魅力的であることに気づくことができました。このような場所は現地のガイドさんがいることでより魅力が増すと考えられます。

環境教育等促進法

正式名称は「環境教育等による環境保全の取り組みの促進に関する法律」(平成23年6月改正)。環境行政への民間団体の参加と、多様な主体による協働を推進するための規定が多く盛り込まれている。

協働取組

国民、民間団体等、国又は地方公共団体がそれぞれ適切に役割分担しつつ、対等の立場において相互に協力して行う環境保全活動、環境保全の意欲の増進、環境教育その他の環境の保全に関する取組。

ESD

持続可能な開発のための教育(Education for Sustainable Development)。一人ひとりが、世界の人々や将来世代、また環境と関係性の中で生きていることを認識し、行動を変革するための教育。

地域循環共生圏

各地域が美しい自然景観等の地域資源を最大限活用しながら自立・分散型の社会を形成しつつ、地域の特性に応じて資源を補完し支え合うことにより、地域の活力が最大限に発揮されることを目指す考え方。

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